2021年新学習指導要領で、英語教員に求められる英語力の目標が英検準1級程度/TOEFL iBT80点程度となりました。つまり、これはどの程度のレベルかと言いますと、アカデミックな英語の読み書き、リスニング、発話ができる。という事です。社会的なこと、時事に関して自分の意見をスラスラと述べられること、文法の正確さもこれまで以上に求められることになります。
崩れた英語で話し、雰囲気で通じる英語のレベルは、これに当てはまりません。
TOEFLに関しては4技能の試験ですので、これを英語教師が受けるべきだというのは私もかなり前から思っていましたが、これに相当する英語力を身につけるのは、本当に並々ならない努力が必要になる先生も多いのではと思います。
そんな私も、TOEFLを初めて受験したのは、30歳を過ぎてからでした。留学経験があり、ニュースや本などで日々英語に触れるようにし、ネイティブの友達とも日常的にやりとりをていた私も、TOEFL80点の壁の高さを感じた時は、足が震えるほど愕然としました。笑
でも振り返ってみると、あのとき死に物狂いで勉強した18ヶ月で、英語力はまたグッとのびたという実感は、確実にあります。
それは、話せるようになった・聞けるようになったということ以上に、文法の理解が一層深まったこと、そして自分の考えをいかにして綺麗な文章で伝えるかということができるようになったことです。
こんなことあるの?と思うかもしれませんが、英語を勉強することで、それまでよりもさらに、英語という言語の歴史的・文化的背景にも目を向けることができるようになり、たくさんの知識が身につきました。
その全てが今現在、生徒さんにライティングを教える上でも、とても役に立っています。
学び直すということは、自分自身の英語力に向き合うことだけでなく、どうやったらいい文章が書けるのか、効果的な勉強方法は何かということにまた悩み模索する中で、指導者ではなく、自らが学習者となるわけです。これはつまり生徒と同じ立場で英語学習と向き合う、教室で学ぶ生徒と対等な関係性になるということです。
今、そしてこれからの効果的な指導方法を模索し、わかりやす授業を考えて悩んでいるのであれば、私はもう一度学習者となって英語教育を別の角度から考えることを是非お勧めします。